始まりと呼ばれるものは、しばしば終末であり、
終止符を打つということは、新たな始まりである。
終着点は、出発点である。
/ トマス・スターンズ・エリオット
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ちょっと前ですが、『ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&ニーア
レプリカント』の発売記念ピアノライブイベント「トオク、チイサク、ハカナイ、ピアノ」が開催されましたっていうかタイトル長いな。
ファミ通 さん
http://www.famitsu.com/news/201203/21011801.html
4Gamer さん
http://www.4gamer.net/games/098/G009809/20120321050/
Gamewatch さん
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120321_520071.html
CDは作曲家さん・演奏家さんが主役なので僕とか出張るような場所じゃないんですが、まあなんというか賑やかし要員として参加させていただきました(LAから)。
来場された感想をブログに書かれた人もいらっしゃいますね。なんか良からぬ事が起きると困るのでリンクはしませんですが、楽しく読ませていただきました。
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詳細は各メディアさんを参考にして頂くとして、個人的な感想を。
Twitter とかでニーアファンのフォロワーさんとか見ていると基本的にペロペロとか下半身の欲望に忠実な人が多い印象なんですが、来場された方は品行方正というか、真面目な方が多い印象でした。まあ、現実社会でペロペロとか言われても困りますが。
微妙に面白かったのが質問コーナー。司会の門脇さんが投稿者さんの Twitter アカウント名を読もうとするんですがことごとく読みづらい名前。皆さん揺るぎない。
アンコールは齊藤Pの「アンコールさせなよ!」という命令の下、僕がマイクでボソボソ声で「アンコール……アンコール……」というオネダリボイスをさせられていました。静かな場のアンコールって誘導が難しいですね。
終わった後も打ち上げとかイロイロ拘束時間が長くて来場された方(とか顔見知りの方)にご挨拶も出来ず、申し訳なかったです。まあ会っても大した事言わないので、会わなくても良かったと思いますが。
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そういえばエミール役の門脇さんブログにも日記が。
MAITA BLOG
http://ameblo.jp/maitablog/entry-11200907362.html
門脇さんには何かといつもお世話になっております。
エミールは最初にデザインが上がってきた時から「これはイヤな感じで人気が出る……」とみんなで思っていたのですが、門脇さんのかわいらしい声でさらにブーストされた感じでした。声優パワー恐るべし。
岡部さんと帆足さんは……まあいいや。
そしてピアノが異常にお上手な谷岡さん。
初対面だったんですが、大作に携わっていらした大御所にもかかわらず、大変気さくな方でした。いや、本当に気さく過ぎるほど気さくで(笑)
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齊藤Pも仰っていましたが、ニーアに関するイベントはこれで一区切りですね。
来場された皆様、USTで鑑賞された皆様、どうもありがとうございました。なんか発売して2年も経つのにステキイベントを開催していただいて感無量です。
それでは、また。いつかどこかで。
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2012年3月26日月曜日
【仕事】ニーアピアノイベント
2012年3月19日月曜日
【日記】鉄拳さんの「振り子」
迷ったらダメなんだな。人生の答えなんて、考えたって分かるものじゃない。ただ、そのときそのときを、ぎりぎり一杯生きている奴だけにその答えは見えてくるんじゃないだろうか。
/ 藤本義一
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深夜に何気なくバラエティを見ていたら芸人の鉄拳さんがパラパラマンガを紹介していました。
鉄拳 振り子
http://www.youtube.com/watch?v=Bf9K6SXDkXU
これがもう素晴らしかったので自分なりに考察してみる日記です。
ネタバレするので、先に上記動画を見ておくことをオススメします。
以下ネタバレビュー↓
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鉄拳さんは前からパラパラマンガで非凡な才能を見せていました。
僕が知っているのは以前の作品は2作で、
【パラパラ漫画】 鉄拳 「ツナガル」
http://www.youtube.com/watch?v=0KXh3Eh_7n4
2011.09.11-鉄拳.絆パラパラ漫畫
http://www.youtube.com/watch?v=nySTBTZHs7o
の二つです。「振り子」は上記に続く三作目。
二作目の「絆」も話題になりましたね。
ここまでのリンクを全部見て頂いた方は判るかと思いますが、二人のカップルの人生を追いかける、という点で「振り子」は「絆」にそっくりです。
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実は「絆」「振り子」に似た演出の動画は他にもあります。
"love elevator" wisut ponnimit
http://www.youtube.com/watch?v=8vfAxSKAnio
東芝 TOSHIBA CM LED電球 「10年カレンダー」篇 120秒
http://www.youtube.com/watch?v=ZzNzLg3JjfE
「love elevator」「10年カレンダー」
そして鉄拳さんの「絆」「振り子」。
全て「一部づつを見せる形でカップル(家族)の長い人生を描く」という手法をとっています。個人的にはどれも素晴らしいと思っています。
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その中で「振り子」は最後発です。
僕は最初この動画を見た時「あーまたこの『人生系の泣かせ系か』」と思いました。
というか、そもそも「絆」とそっくりだった訳ですから。前回の成功体験で味をしめてまた同じようなヤツを作っちゃったなー、と思ったんです。
それは大きな間違いでした。
……たぶん。
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ここでもう一度最初の「振り子」の動画のリンクを。
鉄拳 振り子
http://www.youtube.com/watch?v=Bf9K6SXDkXU
くどいですね。まあご勘弁を。
まずこの動画、振り子の左右で場面転換を行っている事が判ります。
「ほほー、そういう演出の工夫をしてきたか」
僕はそう思います。で、次に思うのは
「でも、中身はやっぱり人生感動系だよね」
と思う訳です。今回は技術的なアプローチの新しさで攻めてきたな、と。
で、途中で全画面になります。
「あ、やっぱり全部通すには無理があるのかな?」
と思います。でも振り子に戻ります。
そんな事を繰り返しながら二人の人生は描かれていきます。あとで振り返ってようやく判ったんですが、このアニメは振り子のように揺り動く事で出来ています。
二人にはイイ事も悪い事もあって、辛い事も苦しい事もある。
二人は人生の振り子に翻弄されながら、やがて老いていく。
演出も「振り子」と「通常画面」を行ったり来たりします。
短い中に人生を織り込んだ描写も素晴らしく、飽きさせません。
やがて長い年月が経過。
アイマイになった妻をつれて男は海に行きます。
辛い事や哀しい事を経て、二人は崖の上に立ちます。
ここはもしかしたら自殺の暗喩かもしれませんが、よくわかりません。
妻の頭には、若い頃には着せてあげる事の出来なかったヴェール。
カメラが不自然に左右に揺れます。
ここでは観客が「振り子」に乗って彼らを見ています。
なんという徹底ぶり。
そして男の驚愕の行動。
演出上の道具にしか過ぎなかった振り子を止めようとします。妻を幸せに出来なかった事を悔い、時間を止めてしまおうとします。登場人物が物語の進行を拒否するメタ表現。「次のページ=時間の進行」というパラパラ漫画の否定。
やがて夫を妻がなだめます。
諭され、穏やかになる夫。
さらに年月が進みます。
二人は天に召され、若い頃の姿になって再び結ばれます。
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夫が時間を止めようとした時に妻に説得させた部分は「人生は振り子のようである」というメッセージだと僕は解釈しました。良い事や悪い事を行ったり来たりしながら、時間は不可逆である、だからこそ二人は出会え、ここまでこられた。振り子を否定することは二人の人生を否定する事にも繋がる。だから妻は進む事を選んだ。言葉にすると陳腐ですが、まあそんな感じです。
カップルの人生を描いているのを見て、最初は「どうして同じようなテーマにしちゃったんだろう?」と思いました。繰り返されるとネタは陳腐化することは芸人であれば誰でも知っている事です。
でも、多分、鉄拳さんは描かずには居られなかったんでしょう。
「絆」で描かれた穏やかな人生とは対照的に、苦しみに抗う二人の姿を。
確かに「振り子」は他の作品に似たところを多く持つ作品です。テレビでは紙にシコシコ描いている様子が描かれていましたが、音楽を含めた構成があまりにも緻密だったので多分デジタルで作ってるんじゃないかなーと思ったりもしました。
ですがそうした疑問や不満以上に、多層的な構造によって傑作になっている事が素晴らしい、と僕は思う訳です。
鉄拳さんの次の作品に期待しております。
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2012年3月15日木曜日
【日記】1%の偽善
偽善とは、不徳が徳に対してほんのわずか捧げた敬意である。
/ ラ・ロシュフーコー
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昨日はホワイトデーでした。伊勢丹の地下に行ったら大変な混雑っぷりで。気の利いた小さなチョコとかは軒並み売り切れておりました。きっと当日になって「あ、しまった」と思ったウッカリ男子が大勢詰めかけたんでしょうね。
で、ウッカリ行列に一緒に並んできた訳ですけど。
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で、まあそんな日ですが、郵便局に行って赤十字に寄付をしてきました。
東日本大震災の義援金です。
最初にお断りしておくと、今日は全部「ヨコオ個人の話」であって、これを読んでいる皆さんにどうこうして欲しいという話でありません。あくまで日記という事で。
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震災そのものについては以前に 4Gamer さんでコメントさせて頂いた事
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20110323036/index_3.html
これが全てなので割愛します。
で、その時に思った訳です。「これは大変だ。さすがに募金しなきゃ」って。
ボクはとてつもなくケチです。吉野家で牛丼(350円……じゃなくて380円でした。謹んで訂正させていただきます)にしようか牛鍋丼(280円)にしようか悩むレベルでケチです。ちなみに牛鍋丼を普段食べていると、たまに牛丼を食べた時に「うはあ超肉が多い!」リッチな気分になれます。
そんなケチケチ大臣な自分ですら「募金しなきゃ!」という気分にさせた事からも、アレがいかにヒドイ災害だったのかが判ります。
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災害後、色んな人が募金を表明していました。
僕の周囲でも募金した人が沢山居ましたし、ニュースでも各国からの募金が大量に集まっている事を伝えていました。
大量の募金が集まったのはテレビで延々と震災現場の映像が流された事もあるかと思います。「テレビは悲惨な映像を流すばかりで Twitter
みたいに有益な情報は流さなかった」という話がありますが、悲惨な映像というのは憐憫の情を引き起こし「募金しよう」という気分にさせますから、あれはあれで無駄ではないと僕は思うんですけど。
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で、コンビニとかの募金箱の前で考える訳です。
「一体いくらが妥当なんだ?」
募金するほとんどあらゆる人がぶつかるであろうこの疑問。
財布に入っているお札をガッとつかんで突っ込めばイイ気もしますが、それはたまたま財布に入っていただけで自分が払うべき妥当な金額では無い気がします。
上のテレビの話でも書きましたが募金なんてものは「気分」です。その「気分」が空気感になり、大量の募金を集めました。
ただ、僕の仕事は大きな意味では人の感情を動かす仕事です。自分の「募金したい」という気分がメディア報道と周囲の空気感によって生み出されている事を自覚していました。
「気分」なんてものは不安定です。僕は自分の「気分」が妥当な金額を計算出来るとは思えませんでした。
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で、僕のたどり着いた結論はこうでした。
「まあ大量に募金も集まっているようだし、僕は冷静になってから募金しよう。うん。それがいい」
これ、絶対に絶対にマネしないで欲しいです。みんながこんな事言い出したら全く募金は集まらないと思います。「募金しよう」なんていう気分はいずれ冷めますから。だから絶対にマネしないでください。
冷静になる期間を1年。その時にまだ義援金を必要としているようだったら拠出しよう。そう決めました。もし義援金が十分集まっているようだったら別の寄付をすればいいや、そんな感じで。
で、1年後。義援金は相変わらず募集していました。
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次はどこに募金するかです。
まあ、あまり考えても仕方無いので赤十字に送りました。
義援金で出せば全額被災者に回る事や確定申告で使える事も魅力的です。
義援金は、確定申告で寄付金控除しよう!
http://allabout.co.jp/gm/gc/13948/
ま、実際に見ている訳ではないので、本当に正しく使われているかどうかは判らないですけど。
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で、次に決めるべきは金額。
最終的には「年収の1%」としました。
年収100万円なら1万円。
年収1000万円なら10万円。
年収一億円なら100万円。
牛鍋丼で悩む自分には結構な金額ですが「一年のうち3日間くらい被災地支援に行って収入が無かった」と考えれば大した金額じゃないです。なんかソーシャルゲームで高額課金をした後に「○○を買ったと考えれば」的な飛躍した発想ですが。
しかし僕は無職なので働いていた最後の年の年収を参考にしました。手取りじゃなくて額面です。手取りはいくらだったか憶えていないです。
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無職で募金とかどうなんだ?という気もしますが、貯金も一応あるのでそこから。年収の1%くらいで未来の生活が怪しくなるなら、それは払っても払わなくてもどのみち大差無いでしょう。
ということで、僕の心の中の経理担当が「1年に1回、年収の1%くらい募金をするなら仕方無いでしょう」と囁いてくれたのでそう決めました。
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他に投資すべき案件と比較してどうなのか?
たとえば「身近な友人」だとか「別の災害」だとかを助けた方がイイのではないだろうか?という問題については
「ま、そっちはそっちで考えるよ」
という結論に到達しました。なので、そっちはそっちで考えます。
そして募金した事を公開するかどうか?という点ですが、これは「1年後のブログのネタにしよう」と決めました。
というかですね。その1%はブログのネタ代です。コンテンツ代。
何かの役に立てないと気が済まない。ケチは無駄な金を遣わないんです。
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やってみると判りますが、周囲が募金しまくってるときに募金しないというのは結構シンドイです。未来に募金すると決めたものの、それは確実ではないですし、その説明をする事も出来ません。ギギギ。
そして、1年経って世の中の募金熱が過ぎた頃にブログに書いても盛り上がりに欠ける訳です。そんな「一体自分は今頃何やってるんだろう……」感。
こういう人生の苦みを味わえるようになって、ようやく大人の男だと思う訳です(精一杯の強がり)
何事もままならないなあ。
それでは。
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2012年3月10日土曜日
【日記】就活とライアーゲーム
「一人では、やっぱり何も出来ない」
ライアーゲーム / 甲斐谷忍
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就活の選考でライアーゲームやらされた
http://blog.livedoor.jp/roadtoreality/archives/51486670.html
就活で特殊なゲームをやらせるのは勝敗よりも「特殊な状況でどういう風に振る舞うのか?」という人間性を見る事が多いけれど、これは単純な勝敗で決めてるっぽいですな。
こんなので学生さんの資質を測れるのか?……と思いますが、このスレを立てた人の説明が酷すぎて「ああ、こういう人を落とす為なのかな」とか考えさせられたり。
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こういうゲーム「自分だったらどうする?」って考えるのが楽しいです。僕は「他人の指示に従う」という発想がキライなので、自分の所属するグループに対して
・8名中、最大で6名しか合格出来ない。
・ゲームの進行によっては5名以下しか合格出来ないケースがある。
・だから我々はグループ内の生存率を高める努力をしないか。
と説得し、
・このゲームをプレイして勝利する自信のある人は居るか?
・居るとすれば、単独で戦ってもらって構わない。
・でも残された人でグループを作れば必ず勝利出来るけど?
と、離脱者を抑止して
・平等を期する為に、クジかジャンケンで決めよう。
と提案する、とかですかね。
まあ現場でその提案を思いつくか微妙だし、実際に上手く行くかどうかわかんないですけど。とにかく「誰かの指示で騙し合いして就活の合否を決める」っていうのはヤなので、いずれにしてもゲーム外勝負を提案する気がします。
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ちなみに最初は「一億円札をコピーしてバラ撒けばいいんじゃね?」と思ったんですけど。きっとそのあたりは抑止されてる予感。
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ちなみにあらゆる選考の最終的な攻略は、ゲームを上手くクリアする事でも、頭の良い回答をするのでもなく、「選ぶ側になる」事です。
ちょっと考えればわかりますが、全ての試験官が自分が出す試験をパスしている訳ではありません。東大を最初に作った人は東大を卒業している人ではありません。自分は試験もパスしていないのに、他人に狭い関門を通らせようとする巧妙な人が存在するんですね。
こうした「選ぶ側になる」方法はイロイロありますが、その道を大人はなかなか提示しません。表玄関からの受験が全てかのように装うので注意が必要です。
それでは。
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2012年3月3日土曜日
【日記】300度の熱湯/宇宙人/AOP
全ての答えが出た。どう生きるべきかということを除いて。
/ ジャン・ポール・サルトル
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ひさしぶり日記。
なんか本格的にボンヤリしてました。
リハビリがわりに力を抜いた日記。
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300℃の熱湯をカップ麺に注いだら1分で出来上がるよな?
http://channelz.blog118.fc2.com/blog-entry-1563.html
超科学的なスレ。イロイロヤバイ。
時間と空間を超越してる。
自分の中出、光速ウンコスレに並んだ。
光の速さでケツからうんこ出したらどうなるの?
http://imihu.blog30.fc2.com/blog-entry-2696.html
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俺らは最初期世代の宇宙人ってことになるのかしら
http://japan.digitaldj-network.com/archives/51695255.html
なるほど。そういう事になるのか。
前提がイロイロ怪しいけど、面白い推論だなあ。
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なるほど!と思うけど、毎回忘れるネタ↓
「英語圏の人とお話しすると『東洋の漢字ってやつはクールだよな、俺にも何か教えてくれよ』と言われたりするので、そういうときはじゃあアルファベットのAとOとPで書けるやつを教えてあげようと返すと中々ウケがよい」
http://twitpic.com/85x9do
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っていうか今日の格言は前に取り上げたな。
ま、いいか。(←力の抜けている様子)
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