2012年10月4日木曜日

【日記】マクドナルドが導く未来

ヨコオタロウの日記-maku.jpg


ビジネスに挑戦するならば、勝たなければならない。勝てば官軍。負ければ倒産が、現実なのだ。負けたら言い訳は通用しない。勝つことがすべてなのである。

/ 藤田田



マクドナルドのレジ前のメニューが無くなったらしいですね。

本日からなぜメニュー表を撤廃?マクドナルドに理由を聞いてみた。
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/byokan/2012/10/post-1164.html

じゃあどこで頼むのか?というと、入り口にあるメニューか、レジ上の看板を見て頼むそうな。理由は注文を高速化して回転率を上げる為。



僕はマクドナルドにはあまり行かないんですが、行く時はごく普通のハンバーガーとかを頼みます。で、店内に入ってレジ上の看板を見ると無いんですな、普通のハンバーガーが。だからレジ横のテーブルにあるハンバーガーを見ざるを得ない。

看板のメニューの充実感は微妙な感じで「今月のオススメ」だけではなく、定番商品やドリンクなんかも掲示されていたりします。あの看板メニューを全メニューだと錯誤する人は多いんじゃないのかなー。

てか、僕も最初は「普通のハンバーガーはどこに行ったんだ?」って思いました。



で、以前から思っていたんですけど、看板メニューを全メニューだと錯誤させるのは、ちょっとしたリスクを伴います。

たとえば、孫に連れられて来たおばあちゃん。
キッズセットを注文してホクホクの孫の横で、おばあちゃんは牛肉が苦手で昔なんか魚を揚げたようなヤツがあったなあ、とか思っています。
でも上の看板メニューを見ても無い。
カウンターの前でゴネるのも失礼だと思って、看板メニューで一番小さそうな月見バーガーなんかを注文。

で、注文し終わると、隣の女子高生なんかが「フィレオフィッシュひとつ~」とか言ってて「ああ、そうそうそんな名前だったな……あれ?メニューにないのに何故頼めるんだろう?」とか思ったりする。でももう注文し終わってるので、ゴネるのも失礼だと思って黙っている……

こんな悲劇。



こういう「知識や経験のある人が得をする状況」ってのは飲食店ではよくある話です。たとえば、裏メニューを常連さんが注文したり、高尚なマナーを要求したりとか。吉野家の「つゆだく」とかもそうです。

でも、ファーストフード・ファミレス層は、そうした不安定・不確実な情報を排除し、「誰でも安心して入れる店」を目指してきました。マクドナルドなんてのはその極北です。

にも関わらず、今回はある程度のリテラシーを要求する店になりました。つまりマクドナルドは「全員が安心出来る店」から「注文方法が判る人だけが入る店」に舵を切ったと言えます。

「何を大げさな」と思うかもしれませんが、注文する店員さんの前で全メニューが閲覧出来ない店舗は他に殆どありません。上記のおばあさんの例はレアケースでは無く、ごく日常的なケースになるはずです。



文明社会が大きく進化し、ほとんどのシステムが人に平等で親切で優しくなっていく中で、利益を追求した結果「人に優しくないシステム」になったのは何故だろう?と思いました。

もしかしたら、マクドナルドが過去に持っていたようなホスピタリティはこの消費社会で限界を迎えてしまったのかもしれません。これからは人に優しくない、経済や利潤が主導する謎のトレンドが始まったのか……とか。

10年後、マクドナルドは売れ線メニュー以外を注文する客にはやたら手数のかかる手法を強いている可能性があります。そんな時、僕らは「昔のマクドナルドは何でも簡単に注文できてよかったなあ」と嘆くんでしょうか。それとも、順応して素直に受け入れているんでしょうか。

未来は謎に包まれております。



ちなみに昔、朝にマクドナルドに入って看板からメニューを選んだら「すみません朝はこちらしかやってないんです」と言われてレジ横の朝メニューを選ばされました。

今でもあの仕組みは生きているんですかね。だとしたら、

朝はレジ横メニュー、
それ以外は看板メニュー、
全部から選びたい人は入り口近くのメニューから選ぶ

というものすごくバグを生みそうな分岐になって震えます(UXを統一出来ない担当者の力量の無さに)


では。


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