わたしには三つの宝物があります。
これを守り、大事にしよう。
一つ目は、愛。
二つ目は、けっしてやりすぎないこと。
三つ目は、けっして世界一になろうとしないこと。
/ アガサ・クリスティ
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こんにちは。ヨコオです。
もうすっかり忘れていらっしゃるかと思いますが、ゲームシナリオのヨタ話の続きです。
※ご注意:ヨタ話なので有用な結論を期待しないようにお願いいたします。
これまでのログ
その0 http://ameblo.jp/yokota6/entry-11243939844.html
その1 http://ameblo.jp/yokota6/entry-11248574537.html
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で、前回までのアラスジ。
・メンバーの言う事ばっかり聞いてると混乱するよね。
・メンバーのリクエストを
「他人にやらせたい事」と
「自分でやりたい事」に分ける。
・「自分でやりたい事」を実現してあげるのは簡単。
こんな感じだったような。
いやもう随分前だったから思い出すの大変で。
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で、まあ今回は「他人にやらせたい事」がぶつかった時にどうするか?たとえば「A案がいい」と「B案がいい」がぶつかった時。
これは、もう誰かが決めるしか無いわけです。
他にも「誰もやりたがらない事を誰にやらせるのか?」
これも、誰かが決めるしか無い。
じゃあその時に誰が決めるのか?
ここでよくある、パターンを示します。
「みんなで決める」
「ディレクターが全て決める」
これは、まあ、両方ダメになりがちなソリューションな気がしてならないんだなぁ(東京都ヨコオ氏談)。
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まず「みんなで決める」。
これはもう、ご存じの通り何も解決しないです。本当に。
「まず、みんなで決める。決められない事は、最後にオレ(ディレクター)が決める」
という人が居ます。これはマズイ。
「何が決まらないかを判ってない」時点でヤバイです。
ここは命の奪い合いの戦場。合議制とか何の役にも立たない。
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次に「ディレクターが全て決める」。これもダメ。
「何でもオレに確認を取れ」
っていうディレクターさんが居るかと思いますが、よほどの天才で無い限り、無理。ゲームは一人の人間が確認する事が出来る限界を超えた量がありますから。
延々と判断出来ずに山積する問題を追いかけきれず、時間がひたすらかかる典型的なパターンです。(逆に言えば才能がある人が時間と金をかけていいならこのやりかたは出来ます)
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上手くやれてる人は
「みんなで決める」と言ってるけど、実はキチンと誘導して着地させる。
「俺が全部決める」って言ってるけど、実は一部しか見ていない。
このどちらかな訳で。
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結局リソースは有限なので「決めるのは一人」だけど「一人では全部作れない」という問題が横たわる訳です。この条件をクリアする為には、
・どこを自分が決めるかを決める。
・自分が決めない各要素を決める人を、決める。
という行為が必用になります。二行に五回も決めるって書きました。
会社組織と一緒で、誰がどこの担当か。
それを決めて配置する。
シナリオもそうです。誰が何の要素を考えるのか?
キャラクター設定?ストーリーの魅力?ゲームとの親和性?複数に渡る様々な問題を順序立てて任せていく必用があります。
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「他人に任せる」っていう事は、ある種の仕事放棄です。
大事じゃないから、自分が判断する時間(スキル)を持てないから、切り捨てる。順序を付ける事が大事。
そんなのアタリマエじゃないか、と思う人も多いのかもしれません。
でも、いざ、何かを捨てる側になるとみんな躊躇するんです。
予算が有限で、グラフィックに予算投入する時、シナリオと音楽はゴミでもいいのか?大御所のシナリオライターを登用したとき、そのシナリオを尊重した結果ゲームがゴミでもいいのか?有名声優を大量に投入して(以下略)
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そんなのバランスじゃん、と思う人も居るかもしれません。
じゃあ、どんなバランスがいいんでしょう?
100点満点のゲームを想像してみます。
100点 ゲーム
100点 グラフィック
100点 シナリオ
100点 音楽
こんな完璧なゲームは滅多にありませんけど。
でも、概ね、予算や人材や期間によって制約を受ける訳です。
では全体で200点しか持ち点が無く、それを配分しなければいけない場合は?
50点 ゲーム
50点 グラフィック
50点 シナリオ
50点 音楽
バランス良く作るなら、こんな感じでしょうか。
でも、個性もあんまりない感じでもあります。
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全部100点にしたいと思うのは人のサガですが、でも、なかなかそんな形にはなりません。全部を満たそうとして辿り付くのは、概ね「こんな筈じゃなかった」という歪さです。
だとしたら、最初から歪な形をデザインした方がマシだなーと僕は思った訳です。どうせ作るなら変でもいいから好きな形にしたい。
で、結論として、僕はあまりシナリオを重要視しない事にしました。
この件については、次回にでも。
ではまた。
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2012年6月9日土曜日
【シナリオ】ゲームシナリオ四方山話 その2
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