2012年6月20日水曜日

【日記】映画「外事警察」(ネタバレあり)


ヨコオタロウの日記

「真実なんて、思いもよらないものだ」
劇場版 外事警察 /



「外事警察」見てきました。
http://gaiji-movie.jp/


大変面白かったです。
ほぼ絶賛。



要点は以下の通り。


 ・面白さはTV版と同程度。
 ・TV版を見ていなくても全く問題無い。
 ・端的に言うと「地味な『24 twenty four』」
 ・もしくは「暗い『相棒』」
 ・ちょっと複雑な映画。


SPEC とかは何だかんだと言ってドラマ版を見ていないとダメな映画でしたが、外事警察はいきなり劇場版を観て問題ありません。ただ「ドラマも楽しみたい」のであれば、順番に観ることをオススメします。


ここまで見て興味のある人は、以下のネタバレを見ず劇場に行くなりドラマ版をレンタルするなりしていただいた方が幸せになれる予感がします。



以下ネタバレ。というか観た人向け文章で本当にネタバレしているので注意↓















最後のシーン、圧巻でした。


 ・真木よう子の「あのDNA鑑定、本物だと思う?」と言う台詞。
 ・DNA鑑定の紙を焼くアツロー。
 ・「このチョッパリが」という台詞と、腕の傷を見せるネタ。
  >それにより住谷が誘拐の首謀者だった事を暗示。


上記が全部、ミスリードだったので。



僕が思うに、あのDNA鑑定は本物です。
つまり、博士と真木よう子は親子です。


 ・博士の奥さんの自殺を見守っていたのはアツローだった。
 ・つまり、奥さんの死後、子供に一番アクセス出来たのはアツローだった。
 ・奥さんの死後、子供を公安は見失った……と「遠藤憲一」が証言。


公安から子供を隠して養護施設に送り込むような芸当をする人間がいるとしたら、アツローしかいません。そしてそれは世間の冷たい風から子供を守る為……ではなく、博士の娘を切り札として温存していたのです。国益の為なら何でもやる男ですから。


仮に上記仮説が正しいとすれば、真木よう子の台詞も、紙を焼いたシーンも、全部フェイク演出です。「真木よう子の娘を誘拐させた張本人がアツローである」という大オチすら、観客をミスリードする為のダミーに過ぎません。



「オチがダミーって!」


これが映画を観た直後の感想です。
多分、他にも気づかなかった仕掛けが一杯あるに違いありません。
映画のサブタイトルが、何故ドラマ版と同じなのかを考えると、心底震えます。


原作者を含めて、作った人達スゲー!と思いました。






ちなみに、一番おそろしいのは、上の仮説すら嘘かもしれない、という迷宮。
自分すら信用出来なくなる映画、それが「外事警察」。


※追記 120620

最後の「日本は核無き世界を目指す」っていう外務大臣の言葉が冒頭の震災のシーンとリンクしている、という説を聞いて凄すぎるだろうと思ったり。



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