「一喜一憂」をのぞいて我々の人生にいったい何が残るというのか?
/ 野中日文
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前回の日記
【日記】考えさせられる「感動系CM」前編
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11771075980.html
【日記】考えさせられる「感動系CM」中編
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11780584232.html
の続きです。
時間が空いてしまったので前回何を書いたのか、そして今回何を書くつもりだったのかをすっかり忘れてしまいました。が、URLのメモだけが残っていたのでなんとなく継続して書けた。メモ、大事。
※今回もCMのネタバレがあるので嫌いな方は動画を観てからをオススメします。というかCMを知らないと日記読んでもチンプンだと思います。
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今回のご紹介はスーモのCM。
SUUMO ココロの声ストーリー
https://www.youtube.com/watch?v=zZ6EEZxgYaY
CMは冒頭から主人公の背後に3人の「ココロの声」が出現しています。口に出していることと思っている事が違う、という現代社会で体験しがちなシニカルな風景。
まず、この「ココロの声」が1人じゃなくて3人ってところが見てて楽しい。普通にアイデアを出したら「ココロの」声は1人です。だけれど、3人にすることで人間の内面が複雑であること、人間にはウラオモテがある事を上手に表現しています。
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CMが進むと「ココロの声」の演出に変化が始まります。
家を買う事を妻に伝えた後、
妻「私は元々賛成よ?」
夫「あ……そうだったっけ?」
この後、結婚当時を思い起こす会話に移るんですが、その会話は実は本体ではなくて妻の「ココロの声」がするんですね。夫の「ココロの声」もそれをジッと見つめている。言わなくてもなんとなく空気で伝わる夫婦の関係。
そして、家を買う契約書に夫がハンコを押す時。
妻に「緊張した?」と聞かれ
「した」「した」「した」
と口を揃えて「ココロの声」が答える。
だけれど本体が口に出すのは
「別に」
という言葉。
でもこの「緊張した」という意味は妻には伝わっている訳です。
既に示されているように、夫婦の「ココロの声」は繋がっている。
たとえ本当の事を言わなくても伝わる事がある。
ものすごく複雑な演出です。
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そして最後は妻からの告白シーン。
知った夫は喜びを全身で表す。
ここでの驚きは、夫も妻も「ココロの声」が本体に同調してしまい、特別な演出としての意味を失ってしまったところです。例えば、いきなりこのシーンを先に見ると「後ろに3人いる」意味が判らない。
タテマエとホンネを変える事がCMの面白さだった筈なのに、それをやめてしまう。ここで初めてこのCMが意図する全貌が伝わる訳で……あんまり説明すると無粋ですかね。
最後のカット。夫婦(全員)が手をつないでいるところでCMは終わります。
単純なハッピー系ではなく、奥深い構造を持つCM。
役者さんの演技と併せて、とても良い作品になっていると思います。
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というか、最後のカットはトモロヲだった。
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2014年3月2日日曜日
【日記】考えさせられる「感動系CM」後編
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